『glee/グリー』といえば、放送開始後にアメリカで社会現象となった青春ミュージカルの金字塔。
ギャグでありながらポリコレを意識し、より多くのマイノリティが共感できるキャラクターを登場させて、多くの若い人たちに救いを与えた名作といっていいと思います。日本でも放送されて人気がありましたが、途中で主要登場人物を演じる役者が亡くなったり、演者同士の不仲が報じられたりして、どんどんストーリーがグダグダになってしまい、最後まで見なかった方も多いのではないでしょうか。
今年は9月に同じ制作陣によるミュージカルドラマ『ポリティシャンズ』が放送開始予定。
グィネス・パルトロウの参加も発表されているので、『glee/グリー』ファンはぜひ見たいですよね。政界入りしたスー先生のサプライズ登場もあるのではないかと期待してしまいます。
そこで、『glee/グリー』の最終話を見逃した方、せっかくなら『ポリティシャンズ』の前に内容を思い出したいという方のために、『glee/グリー』の最終話シーズン6第13話「グランド・フィナーレ」のあらすじと結末、そしてうたわれた曲はをご紹介します。
まずは『glee/グリー』ってどんな物語?というご紹介から。
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『glee/グリー』のあらすじ
しかし部員募集に応えて集まったのは冴えないいじめられっ子ばかり。それでもシュー先生に励まされ、全国大会を制してほかの生徒たちを見返してやろうと誓ったグリー部は、いじめに負けず絆を深めていきます。
ストーリーは王道の青春部活ものです。ですがミュージカルタッチで進行することや、かなり攻めたギャグが入っていることで斬新な作りでした。何より、ゲイや非白人などマイノリティに寄り添った内容が、多くの若者の支持を集めました。
フィンは?マーリーは?気になるキャラはどうなる?
ここで、みんなが気になるキャラがどうなったか、完結にご紹介します。
最終回でフィンの話は出る?
最終回、フィンは何度か写真で登場します。
フィンのパネルの前をレイチェルが「This Time」を歌いながら通り過ぎる描写で、レイチェルがフィンの思い出を胸に抱きつつも、子ども時代に一区切りをつけて前進していくことが表現されていました。また、カートがフィンの写真を大切に飾っているという場面もありました。
なお、ファイナルシーズンではサムと恋愛したレイチェルですが、いつの間に別れたのか、最終話ではジェシー・セントジェームスと結婚していました。
「フィンにはレイチェルに幸せになってほしいはずだ」という意見も多いようですが、個人的には、レイチェル運命の相手はフィンで、フィン亡きあとは歌に恋して幸せに暮らしている、という結末がよかったな、と思っています。レイチェルが「フィン」というタトゥーを入れた場面は感動しましたよね…。
マーリーたちの三角関係、結末は?
マーリーたちの物語は、結局マーリーがジェイクを選び、でも3人でこれからも仲良しでいようと誓いあって終わっています。その後舞台がマッキンリー高校に戻ったときは、3人そろって他の学校に強制的に転校させれていました(笑)。
マーリーはとくに美人で歌も素晴らしかったので、役柄として失敗したのは残念な限りです。イケてて悩みのあるティーンの恋愛ならば『glee/グリー』で見る必要はないのに…。
なお、グランド・フィナーレの歌「I Lived」にもマーリーは登場しません。『スーパーガール』撮影してましたからね。
ブレインとカート、幸せになれる?
紆余曲折を経たブレインとカート。別れたりヨリを戻したりを繰り返しましたが、お互いにとても一途で人気のカップルでした。
最終回でもブレインとカートは幸せそうです。なんと、レイチェルに代理母を頼んで、子どもを妊娠中でした!
ですが、具体的に何をしているのかはハッキリ紹介されませんでした。LGBTQのショーを成功させたという紹介はあったので、自分たちで劇団をしているのでしょうか。ブレインは大学に進学したはずでしたが、そちらはどうなったのでしょう。カートのファッション誌のキャリアも中途半端に終わってしまいました。
追悼会に出てこなかったクイン、最終回は?
なぜかフィンの追悼回に登場しなかったクインですが、その後また登場しています。大学で名門の彼氏をゲットして、相変わらず彼の前でいい子を演じて疲れていましたが、その男を振ってパックとヨリを戻します。その時、フィンの写真を見上げながらパックが「怒ってるかな?」とつぶやくと、クインは「彼の運命の相手はレイチェルだった」と言う場面が出てきました。
その後クインの主な登場はほとんどありません。最終回は最後の曲「I Lived」には参加しています。
ちなみに、クインはシュー先生の子どもへのビデオメッセージで、ブレインとカートに卵子提供すると言っていましたが、結局実現しなかったようですね。まあ、フィンの母キャロルにとっては、いずれレイチェルの子どもが自分の孫になるはずだったわけで、レイチェルと今の息子であるカートとの子どもが孫になるのは、フィンの子どもを育てるような気持ちに慣れて、よいのかもですね。
終わり方は?最終回を完全再現!
それでは、最終回のストーリー「グランド・フィナーレ」をご紹介します。歌われた曲についてもご紹介します!
なお、英語でのタイトルは「Dreams Come True」ドリームス・カム・トゥルー、夢はかなう、です。
シュー先生の夢
彼の心の中でアドラー先生が言う。「グリーとは心を解き放つこと」シュー先生の準備を手伝っていたのはレイチェルだった。
そこに神妙な面持ちでカートが入ってくる。
「時間です」
ニュー・ディレクションズは赤いブレザーを身にまとい、結果発表を待っていた。
手を握るメイソンとジェーン。
最後のニュー・ディレクションズのメンバーよかったですよね。もう少しこのメンバーで見たかったのに、ほとんど深堀されることなく終わってしまって残念。全国大会までの道のりもはしょりすぎです。
3位はハーモニー・バスターズ。
そして優勝は…ニュー・ディレクションズ!
興奮の優勝から一転、オフィスで戸惑うシュー先生の姿が映し出される。
「マッキンリー高校を芸術高校にする。教育委員会の決定です。」
そうシュー先生に伝えるのはハリス教育委員長。
「どうして?」
「君が成し遂げたんだ。この10年間、どの高校も予算不足に面していて、数学や科学ばかり優先したが、間違いだった。成績はむしろ下がった。
でも君は負けなかった。私から教育委員会に提案した。」
喜び戸惑うシュー先生。「協力します。できることがあればします!」
「協力?いや、君がこれからのマッキンリー高校の校長だ。」
いきなりの展開ですね。
最初は音楽の道をあきらめて惰性で教師をやっていたシュー先生ですが、違う形で夢がかなったようです。
「校長はいい見本を見せないと」
そう言いながらお弁当を詰めるエマ先生。あれから3ヶ月が経っていた。
「もう予算のことを気にしなくていい。学校に託児所を作る。そこに子どもを預けて一緒に仕事をできる」
そう言いつつ、ふと真顔に戻るシュー先生。
「怖い。自分に務まるのか。」
「大丈夫よ、あなたはオハイオで一番才能があるわ。もちろん簡単ではないけれど、怖くはないわ。ここからは楽しむ時よ。気に入らない時は変えていける。もう邪魔する者はいない。あとは想像力に任せて。」
簡単ではないという現実を見つめて、でももう怖くないというエマ。素敵です!
いろんな失敗を経験して、失敗しても夢をあきらめなくていいということを学んだから、お互いがいて、味方がいるから、だからもう怖くないんですよね。
サム先生
シュー先生が音楽室に入ると大きな拍手で迎え入れられた。
元メンバーも来ている。
「それで、オーディションはいつから?全員入れると大変なことになるでしょ」
ショーコーラスはマッキンリーでの人気部活に変わっていた。シュー先生は答える。
「いや、全員入れる。これからショーコーラス部は1つじゃない。トラブルトーンズを復活させて、ボーイズグループも作る。」
「でも先生、全チームとの顧問と校長を兼ねるの?」
「いや、顧問はしない。だからお別れをしたい。この音楽室での経験が僕の人生を変えてくれた。僕が学んだことをこの曲に載せて君たちに捧げたい。」
サムがギターを弾き、シュー先生はウクレレを弾きながら、クロスビー、スティルス、ナッシュの「ティーチ・ユア・チルドレン」を歌う。
子どもにいい教育を、と同時に子どものあどけなさで年配の者を助けてあげてというメッセージの歌。シュー先生の最後の歌としてピッタリですね。シュー先生はよくいる完璧な先生じゃなかったところがよかったです。
シュー先生が子供たちに優しくあること、夢を追うこと、前向きでいることを教えたと同時に、彼も子供たちからたくさんのことを学ぶ画面がありました。
ロッカールームでフットボールのチェックをしているサム。ブレインが入って来る。
「もう全部売るから、チェックしないと」とサム。アメフト部はなくなるらしい。
「もうすぐ君は失業するだろ。ニューヨークに戻らないか?うちには空いてる部屋もあるよ。狭いけど。」
「いいや。前も話したけど、ニューヨークは僕には合わない。うるさいし、スポーツチームが多すぎてどこを応援するか迷う。」
「強いところを応援したら?」
「カートみたいなこと言うね。」
「結婚すると似てくるんだ。ねえ聞いて、僕たちはニューヨークで幸せだよ。みんなともよく会うし。でも、一番の友だちがいなくて寂しいんだ。」
再三誘うブレインだが、サムは頑なに断る。
「僕はここで幸せなんだ。ここがあってるんだ。」
「でも、君の才能を無駄にしてほしくないんだよ。」
「才能なら新しい仕事でいかすよ。」
サムがすでに新しい仕事の話があることを知って意外な表情をするブレイン。ところかわって音楽室。
「おめでとう、新しいニュー・ディレクションズのメンバーたち。君たちこそがベストだ」と言いながら入ってくるシュー先生。そして新しい顧問を紹介する。
サムが入ってくる。
ちょっとコネ人事すぎやしないか!サム教えられるかな!?
「最初の課題を考えてきた」
そう意気揚々と言うサムを見守るブレインとシュー先生。生徒たちも見守っている。
「最初の課題はカントリーだ!」
全員微妙な顔で硬直。
「えっと・・・一応・・・聞こうか・・・」ブレインがシュー先生につぶやく。本格的に暴走したら抑え込みに走り出しそうだ。
「カントリーはブルースとルーツが一緒だ。別れや壊れたトラックとかの個人的な苦しみ、田舎暮らしのつらさを謳ったものだ。これは今でもアメリカ南部の日常なんだ。強くなりたければ、痛みや喪失について歌えるようにならないといけない。」
一安心した表情を浮かべるブレインとシュー先生。
そういえばサムって、ネガティブな面も真正面から見つめられるキャラでしたね。みんながクリスマスで浮かれてるときに、困っている人のことを考えていたりして。辛いことや悲しいことも人生の一部としてちゃんと見つめるという姿勢は、カントリーが好きな彼だからこそなんですね。
それぞれの別れ
その後、メルセデスがみんなを講堂に集めた。
「ビヨンセツアーの前座に選ばれたの。」
駆け寄ろうとするみんなを制するメルセデス。
「こっちに来ないで、泣きたくないから。昔は目立てなくて。でももう昔の自分が思い出せなくなったの。みんなが変えてくれた。いいことが本当に叶うと信じさせてくれた。
これからツアーに行くと途中でアルバム制作もあるし、しばらくは会えなくなる。しばらくどころか、ずっとかも。連絡はするけれど、これまでとは違うことになる。
もう一生分のハグはしたから、私らしく歌でさよならしたい。」
シックな黒いトップに花柄のフレアスカートのメルセデスが歌うのはダイアナ・ロス&シュープリームガールズの「Someday We’ll be together」。
歌の最中、「いつか私たちは一緒になれる」という歌詞に合わせて、涙を目ににじませるサムの顔がアップになります。サムにとって、やっぱりメルセデスが特別な存在であること、そして時間がかかるけれどいつかはメルセデスとサムは一緒になれるということを暗示しているようです。
歌いながらみんなにハグして去っていくメルセデス。ところかわってシュースター校長のネームプレートがアップに。
その後ろではなにやらゴソゴソやっているスー先生。カートとブレインが入ってくる。
「何してる」
「やあミセスお人形さん。
最後にオフィスを見に来た。そのついでにウィルのデスクにうんちしようかと思ったが、大人げないので、かわりにそこら中におしっこした。」
「話したいんだ。僕たちはもうすぐニューヨークに戻るから」とブレインとカートは腰を掛けた。
そこおしっこかかってると思う
「ニューヨークに戻る前にお礼が言いたかったんだ。あなたがいなかったら、まだヨリを戻していなかったと思う。」
「ありがとう。本音だよ。」
スーがブレインとカートのカプ厨だったことが判明したあの衝撃の会のことですね。ここからはスー先生とカートのお別れのシーンです。
「お人形さん、最初はお前が理解できなかった。カバのブローチにひざ丈セーターで冷めた顔して。見てると苛立った。でもずっとお前の成長を見守ってきた。
カミングアウトしたとき。その後ブレインが後で付き合った男から脅迫されたとき。
そしていまだに苛立つけれど、お前のことがわかることになった。
それから、自分のことも知った。そんなことに気持ちが動かされるなんて思ってなかったことに、心が動いた。お前のおかげで自分の新たな一面を知ることができたよ。感謝する。」
ちょっと微妙な表情をしうつつも「ありがとう」と返すカート。
「ブレイン・・・お前のことはいまだによくわからん。お前はお前らしくていてそれでいい。」
「あなたのことも同じように思う」
「では、合わないといけない人物がいる。」
そういい、部屋を出るスー先生。
廊下に出るとベッキーがいた。
「会いに来ました」
「私も」
笑顔で駆け寄る2人。途中の生徒どもを押しのけて抱き合った。
「ひどいことを言ってすみません。」
「私こそ無料のインターン扱いして悪かった。有償のインターン扱いすべきだった。」
しかし、スーはすぐに顔をあげた。
「もう1人会いたいやつがいる」
そしてABBAの「The Winner takes it all」のイントロがかかる。
講堂にシュー先生が入ってくると、スー先生が歌う。ちょっとビビってるシュー先生。
タイトルこそ「勝者が全てを得る」ですが、元は失恋ソングですから、シュー先生も「え、いや、えええ?」って顔になります(笑)
しかしスー先生は差し出された手を無視して楽しそうに歌い続ける。にらみ合いながら歌うが、歌い終わったとき2人は手をつないでいた。
何か言おうとするシュー先生を制してスー先生は無言で立ち去った。去りながらピアニストのブラッドの椅子を蹴り倒した。
5年後
スーが講堂を出るとそこはスタジオの風景だった。5年後というテロップが出る。
そしてSP姿のベッキーが小型マイクで通信している。
「ジェフ・ブッシュ大統領は激戦区オハイオで勝ち抜き再戦するでしょう。
今日は副大統領のスー・シルベスターに来てもらいました。」
そう言う司会者のヘラルド・リベラの隣に座るスー先生。スー先生はなんと政治家になっていた。
ジェフ・ブッシュ(爆!)『glee/グリー』は政治的スタンスがけっこうはっきりしてますね。スー先生がパパブッシュの息子にしてブッシュ代元大統領の弟です。大統領になる可能性は充分ありますが、スー先生が副大統領になるならブッシュ一族な感じはしますよね…なんとなく。
「ありがとうヘラルド。旧友に会えてうれしい」「次期大統領選には出馬しますか?」
「もちろんだ」
これがスー先生の5年後です。スー先生永遠不滅です。
「タイムカプセルを作ったんだ」
カートがロッカーを開ける。
ロッカーの中には写真やトロフィー。真ん中にフィンの写真がある。
「どうしたの?泣きながら笑ってる」とブレインの表情に驚くカート。
「こんなことするの君くらいだ。だから愛してるんだ」とブレインは言う。
手をつなぎながら地下鉄に乗るブレインとカート。背景と2人の姿が徐々に変わり、テロップは5年後と表示される。
ちょっと大人になった2人が訪れたのはハーヴェイ・ミルク学校。
ハーヴェイ・ミルク学校とはニューヨークにあるLGBTQ向けの学校です。高校しかないかと思っていましたが、2人が訪れたのは小学校に見えます。未来にはLGBTQの小学校ができているはず、ということでしょうか。2人が手をつないだままともに歩み続けることがよくわかる時間経過の描写が素敵でした。
「今日のお仕事体験に来てくれたのは、先日LGBTQオンリーの公演を成功させたブレインとカートです」
「信頼できる友達を見つけて、自分に誇りをもって、大きな夢を持って、その夢を支えてくれる人たちを見つけて」と子供たちに伝えるブレインとカート。
そしてモンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」を謳う。
日本では某コンビニのテーマ曲として有名ですね。
場面変わってピアノを弾くのはレイチェル。歌う曲は「This Time」
なんとこの曲、ブレイン演じるダレン・クリスの作詞作曲だそうです。グリーメンバー、多才すぎる…
レイチェルは高校生活を懐かしむように高校の廊下や講堂、音楽室で歌います。フィンとアドラー先生のパネルの前を歌いながら通り過ぎる描写もあります。
「共に過ごした時間をずっと心にしまっておく。この先何があろうと、ともに過ごした時間を永遠に一緒に連れていく」そう歌いますが、フィンとの思い出を抱えつつも、次の恋に進んで成長していくということをこの一曲で表現しちゃった感じが寂しくもあります。
ところで、レイチェル演じるリア・ミシェルとフィンを演じたコリー・モンティ―スも恋人同士でした。リア・ミシェルはコリーのことをずっと忘れないと言いながら、今年結婚しました。この時のレイチェルの気持ちは誰よりわかったでしょうね…
5年後
車を降りるメルセデス。
迎えたのはアーティとティナ。
「あなたが忙しくて出られなくてかわりに私が出たアーティの映画あるでしょ?あれがサンダンス映画祭に出ることになったのよ」とティナ。「そこであなたの音楽を使いたいんだけど」。
「スラムダンス映画祭だけどね」とアーティ。
「エージェントを通して」と冗談を言いつつも、「もちろんいいわよ」と答えるメルセデス。
カートとブレインもタクシーを降りる。
「もう始まるよ」
「サムに新しい彼女ができたんだって」
「今月2人目だ」
噂話をしながら急ぐ一行。
「じゃあなんで私にメールするのよ」とメルセデス。
すごーくさりげなく、ビッグになったメルセデスと、まだ本心ではメルセデスが好きなサムの関係が紹介されています。
それにしても、夢かないすぎじゃない?そりゃ、夢はかなうがテーマだけど、シュー先生のように、形を変えて叶う夢もあるのだから、生徒たちもそういう子がもっといてもよかったな。ティナくらいは獣医になったけど天職だと気づいたと言っていてもいい気がする。
一同が部屋に入ると、鏡の前で準備しているレイチェルが。立ち上がろうとするのをカートが止める。
「9か月間妊娠体操ばっかりしてたのよ。産まれたら体を返してもらうわ」と笑顔で言うレイチェル。お腹が膨らんでいる。
「赤ちゃんの脳を育てるジュースを持ってきたよ」とブレイン。
「どうして2人の代理母になったか、あなたからも聞かせてよ」とティナ。
「私もこうだったし、2人は最高だから恩返しよ」
「生まれるのが待ちきれないよ」
和やかに会話する中に入ってきたのはジェシー。
「あら、夫だわ」とレイチェルがジェシーを迎える。
「うちの子供も早く作りたいしね。」
なんとまあ、あのジェシー・セントジェームスと結婚していました。
ジェシーとレイチェルはトニー賞会場に連れ立って入っていく。
「過去のトニー賞受賞者として、受賞スピーチのアドバイスをするよ」と言うジェシー。
「受賞しないわよ」
「するよ。いいかい、舞台に上がったら、ちょっと泣いたふりして、あとはディレクターを褒めればいい。」
「彼は最高で女の趣味も最高ってね」
いよいよミュージカル女優部門の発表。
その頃、シュー先生はテレビでその様子を見ていた。隣には変わらずエマの姿。後ろではサムが子供たちの相手をしている。
なんだか子どもたくさんいる気がします。男の子3人くらい?
受賞したのはもちろんレイチェル・ベリー。
壇上に上がると、夫、パパたち、カルメン、高校の友だちに感謝をささげるレイチェル。そして…
「この賞をシュー先生に捧げます。
シュー先生はいつも短所より長所を見つけて伸ばしてくれて、いつも慰め励ましてくれた。
シュー先生はいつも教えてくれた。」
すっとシュー先生にティッシュを渡す手。スー先生だ。後ろにはこわもてのSPもいる。
「夢はかないます。」
レイチェルが高らかに言う。
シュー先生の顔がアップになる。
フィナーレ!
場面が変わる。2020年秋。
そこはマッキンリー高校の講堂。合衆国副大統領となったスー先生が相変わらずの赤ジャージで壇上に上がる。ただ、政治家らしくメガネをしている。
講堂にはマッキンリー色を着た(着せられた?)大人たちが微妙な面持ちで座っている。シュー先生、カートの両親、エマ、フィギンズ、ビースト、そしてとまどいがちにテリが端に座る。
「ベッキーやめろ」
ベッキーは講堂の入り口で執拗にサムの身体検査をしていた。
政治家スーは言う。
「かつて太った人物が、趣味の悪い衣装を着たダサい連中に、グリーとは心を解き放つことだと言った。
子どもに過酷な現実を見せず夢や希望ばかりを見せたのだ。現実には失望や悲しみが多い。子どもに夢ばかり与えるべきではない。そして私は正しかった。
だけど、あるがままの世界ではなく、あるべき世界を見つめるのは勇気がいることだ。
それはゲイとクオーターバックが友達になる世界。鼻のでかい子がスターになる世界。そんな世界を夢見るのがグリーだ。
愚かだと思っていたが、今では勇敢だと思う。
この講堂をフィン・ハドソン講堂と名付けるウィリアム、お前の偉業だ。マッキンリー高校は成功を収めた。全国に影響を与えた。お前とグリーはすばらしい成果を上げた。」
あるがままの世界ではなく、あるべき世界を見つめる勇気。偽善者になるのを恐れず正しさを求める勇気。グリーはずっとこの姿勢を貫いていましたよね!このドラマが大好きだった理由です。最後に影の主人公スー先生にこのセリフを言わせるなんて粋です。
カートとブレインが入ってくる。新旧ニュー・ディレクションズが勢ぞろいする。
なんと、シーズン1メンバーのマットまでいます!
参加しなかったメンバーはマイロン、マーリーとローリーだけだそうです。
マイロンは、2020年には18歳のはずですがどうやってもそうは見えないので出て来ていないようです。
ローリーはバンドのツアー中、マーリーはスーパーガール中でした。
曲はワン・ディレクションズの「I lived」
精いっぱい生きた。失敗してバカなこともたくさんやっちゃったけれど、自分なりに背一杯やった、という歌。
本当に勇気づけられます。この曲を最後に持ってくるセンス、ブラボーです!!
レイチェルがすでに結婚していた展開がちょっと強引な気がしていたのですが、この曲がラストに来たことで、「失敗しながらも、人生の良い面を見て、人生を最大限に楽しもうとする」というグリーメンバーたちの姿勢を描くためにそうしたのかな、と納得がいきました。
曲が終わり、静かにフィンとアドラー先生のパネルが映し出される。2人の間には新しく「あるがままではなくあるべき世界をみる」というパネルが設置されている。
パネルの下にはなぜか招き猫。とくに深い意味はなさそうです。
まとめ
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