マーベルのドラマ、『レギオン』のネタバレレビューです。
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シーズン1第1話のあらすじ(ネタバレ)
幸せな少年時代が一変
普通の少年として幸せに育ってきたデイビッド。しかしある時から彼の人生は狂い始める。
彼の周りで起こる数々の破壊。妄想と現実の区別がつかず追い込まれた彼は自殺を図り、精神病院に収容される。
長い年月病院で暮らす彼は、正常を装って家に帰りたがるが、不思議な現象は消えない。
夜中に部屋がめちゃくちゃになっていて強制的に精神安定剤を投与されることもある。
シドニーとの恋
そんなある日、デイビッドは新しく入所したシドニーに目を奪われる。シドニーは人に触れられることを極端に嫌い、誰かが近づくだけでも怯えていた。
「本当は妄想じゃないとしたら?すべて起こっていることは、頭の中のだけじゃないとしたら?」そう語るシドニーに思わず告白するデイビッド。意外にもシドニーの答えはイエスだった。
シドニーは相変わらず触れられることを嫌ったが、2人は幸せだった。手はつながず、紐の両端を持って歩き、窓に映った姿を重ね合わせてキスした気分を味わっていた。
シドニーの退院
シドニーが先に退院することになった。別れの日、シドニーと向かい合ったデイビッドは思わずシドニーにキスをする。その瞬間、デイビッドの脳内に無数のテレビ画面が映し出される。そしてシドニーは倒れ、デイビッドは激しく叫び出していた。シドニーは父親に引きずられ、病棟を後にした。
病棟を出ると、「父親」の様子は一変、他人行儀になる。と、同時に建物が大きく揺れ出した。様子を見るためその場を去る「父親」。
そのころ、シドニーは朦朧とした意識を振り払うように鏡を見た。
鏡を見たシドニーは自分の手や体を不思議そうに撫でまわす。
病棟に戻るシドニー。一見誰もいない。しかし無数の叫び声が聞こえる。もともと部屋があったはずの壁の中からだ。ただし、扉がなくなっている。
血痕を目にする。見上げると、患者の1人だったレニーが壁に埋め込まれた状態で息絶えていた。
壁の中からはデイビッドの叫び声もした。
「父親」に連れられ、シドニーは病院から出たが、しきりに「自分はシドニーじゃない。シドニーはまだ中にいる」と訴える。その後、外のカフェで用事を済ませる「父親」を待っている最中、シドニーの姿は突然デイビッドに戻っていた。
元に戻ったデイビッドは姉の元に身を寄せつつ、シドニーを探し続けた。しかし、シドニーを探そうとすると、謎の男女に跡を追われた。
尋問
デイビッドはその後、政府機関から捜査の協力を依頼され、事件のことを語る。
シドニーのこと、レニーのこと、正直に語ろうとするデイビッドだったが、捜査官は「シドニーという女性の記録は存在しない」と彼に告げる。
さらに、シドニーと体が入れ替わったという話に驚きを隠せない様子の捜査官にデイビッドのいら立ちは募る。
デイビッドが不安定になると、建物も揺れ出した。
捜査官は恐れつつも、何か知っている様子でデイビッドを見つめている。
謎の組織
デイビッドが捜査を受けている裏では、内装を整える工事が行われていた。劇場風の場所など、ものものしい武装兵が見張る中で作り上げられていた。捜査官は奥に引っ込むと上役と話す。
「あれはおそらく最強のミュータントだ。殺してしまった方がいい」
そう言う上役に対して、捜査官と思われた男は、
「もう少し時間をください。彼の力がほしい」と訴える。
一方、デイビッドはずっと不気味な男に見張られていた。どうやら見張る男も何かしらの力を持つミュータントのようだ…。
捜査官に扮する男の尋問が再開するとデイビッドのストレスは極限に達し、とうとう暴発する。ミュータントらしき見張る男が合図するとガスが流し込まれ、気づくとデイビッドは、プールの中に設置された椅子に座らされていた。プールの周りには武装した兵士たちが配置されている。
捜査官に扮した男が、「正直に話さなければ高圧電流をプールに流す」とデイビッドに伝える。
男はどうやら、シドニーの居場所を知りたがっているようだった。
夢の中
デイビッドはシドニーを探していた時のことを思い出していた。
見知らぬ男女の追跡を巻いて、道を歩いていると、突然シドニーが現れる。
「そのまま歩いて」と再び現れた追っ手を気にしつつシドニーが彼に伝える。混乱する彼にシドニーは「これは夢。あなたの心に入り込んだ。ここなら彼らに見つからないから」と伝える
「目を覚ましたら、バレないようにプールの中に滑り込んで。私の姿が見えるまで、プールから出てはダメ」
次の瞬間、デイビッドは捕まり、バンの中に放り込まれる。
再びプールの中
混乱しながらも目を開けるとそこはまだプールの中だった。
「次に何が起きた」と問い続けている捜査官風の男。
「あんたたちにつかまった」と話しつつデイビッドはそっとプールに潜り込もうとした。異変を察知した男が電流を流すより早く、プールの周辺で爆発のような現象が起こる。デイビッドが潜るプールの中に、プールを取り囲んでいた兵士たちが黒焦げになって落ちてきた。
プールから顔を出すと、そこにはシドニーがいた。デイビッドを追っていた男女とともに。
今度こそ現実?
シドニーたちとともに建物の外に出ると、そこでは激しい戦闘が起きていた。シドニーたちの仲間に助けられ、デイビッドたちは銃弾を潜り抜けて岸にたどり着く。
シドニーは船に乗るよう促したが、デイビッドはどうしても確認したい。
「今度こそ現実?」
シドニーは答える。
「これは現実。私はあなたを愛しているから迎えに来た」
2人の前に、年配の女性が現れる。彼女はデイビッドに手を差し出す。シドニーに促され、デイビッドは女性の手を握る。
感想
ざっくり言ってすっごく引き込まれました!開始数分後には乗り出して見てましたよ。
しかし、本当に1時間だったのでしょうか。場面がコロコロ変わるせいか、ずいぶん長い間見ていたように感じました。
夢と現が入り混じる幻想的な世界
このドラマ、少なくとも第1話の魅力は、自然に移り変わっていく作風!
イントロが終わり、ややグロめの冒頭が過ぎて、シドニーが現れるころにはオサレドラマ風に変わっていました。
ちょっと『バニラスカイ』っぽい感じかな。
そこにホラーっぽいものが挟まって、見ている方もどんどん現実と妄想の境がわからなくなっていく。うーん、やっぱり作りも雰囲気も『バニラスカイ』っぽい。
ただし、こっちは、「現実だと思ってたら妄想の世界だった」というオチではなく、「妄想だと思ってたらだいたい現実だった」というオチありきのおもしろさ。
コロコロ場面転換がありますが、どっちが夢でどっちが本当かわからなくなるのが快感でした。
主演俳優の力量に脱帽!
主演のダン・スティーブンズの演技、よかったですよ!
もとは『ダウントン・アビー』に出てたり、実写版『美女と野獣』の王子様してたり、お上品な俳優さんのイメージでしたが、
『レギオン』では妄想に悩まされ、本当に狂いかけている主人公を迫真の演技でやってのけました!
追い詰められてパニックを起こす場面が何度も出てきますが、リアルそのもの!
ダン・スティーブンズについてちょっと
35歳。3歳の子供の父親。
妻は南アフリカ出身のジャズシンガー、スージー・ハリエット。
生後7日で養子となり、同じく養子で血のつながりのない弟とともに養父母に育てられたが、反抗的な青春を送ったそうです。ときには学校から停学になったことも。
実の母親のことは何も知らず、教師だった両親からは養子であることを隠さず育てられました。非常に優秀で、名門トンブリッジ・スクールには奨学金で入学し、その後はケンブリッジ大学に進んでいます。
実の母親を探さないのは、養父母に対する愛情からだそうです。
その後演劇会に入り瞬く間にスターの道へ。
趣味は物書きで、エッセイや詩も書くそうです。
『レギオン』の役作りのために、精神病患者の方々にインタビューし、精神病を誠意をもって扱えるよう留意したそうです。
マーベル作品だと知らなかった方がおもしろいかも
ダン・スティーブンズがインタビューで、彼自身物語がどうなっているのかよくわからない。観客には混乱してもらいたいと述べているように、
この作品の魅力は「心地の良い混乱」だと思います。
そういう意味で、マーベル作品だと知らずに見始めた人はラッキーだなーと。見始めてすぐに「あー、ミュータントなんだな」と分かってしまうよりも、
「これはどういう作品?どこに向かってるの?」と思いながら見た方がおもしろいと思います。
私自身、X-Menシリーズの作品だということはぼんやり知ったうえで見たのですが、見ながら「これ?X-Men?間違えたかな?」と何度も確認したくなりました。
いかにもマーベルらしいクリーンな作品に飽きている人には刺激的でよいと思います。
とはいっても、ところどころマーベルらしさは入り混じる気がしますw精神病院の内装や名前、患者の服装などはマーベルっぽいなあ~と思いました!
まとめ
『レギオン』、本当におもしろそうで期待大です!
X-Menシリーズのファンはもちろん、『LOST』みたいな謎だらけドラマが好きな人や、『フォーリング・ウォーター』や『バニラ・スカイ』のように、夢と現実が入り混じって混乱するのが心地いい人にもおすすめのドラマです!